生涯学習成果の活用、促進・・・深い川は、静かに流れる。 [シニアの学び]
年老いて、なお学び続ける人は、立派です。
年老いても、なお志高き人は、尊敬に値します。
しかし、年老いて、なお、
現役時代の自分の役職や肩書きを、生涯学習の場に持ち込む人は、
愚かです。
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「大賢は愚なるがごとし」という言葉があります。
また、「深い川は、静かに流れる」という言葉もあります。
次のような意味です。
前者は、本当に賢い人は、知恵や知識をひけらかさないから、一見したところでは愚かな人に見える。
後者は、分別のある人や思慮深い人は、ゆったりとしていてやたらに騒がない。中身がある人は悠然としているが、出来ていない人ほど騒々しいものだ。
どちらも、言おうとしていることは同じです。
「長寿社会における生涯学習の在り方について」には、次の記述があります。
(学習成果の活用としての社会参画の促進)
◆高齢者が有する豊かな知識・技術、社会的経験などを有効な社会的資源として、
ボランティア活動など地域活動の担い手や
ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスのような新しい就労の場での活躍を含め、
地域社会に還元するための環境づくりを進め、
高齢者が生きがいを感じ、自らの社会的存在意義を認識することができる
活力ある社会を形成していくことが重要である。
◆そのためには、
地域社会に入っていく際に、
現役時代の慣習(特に、役職や肩書きによる上下意識)を持ち込むことにより、
トラブルとならないよう、
生涯学習を通じて、
地域での基本的なルールや
地域での円滑なコミュニケーションの方法を学ぶことが必要である。
なぜ、わざわざ、このようなことまで書かなければならないのでしょうか。
それだけ勘違いする人が多いということです。
それだけ上から目線の人が多いということです。
現役時代、いかに仕事ができ、いかに上位の役職についていても、
「現役でない、今」では、社会に通用しないということなのです。
技術を伸ばし、知識を増やすことも大切ですが、
人間性を磨いたり、社会性を培うことも、より重要なのです。
人は、昔の手柄だけでは生きられません。
気持ちを切り替える、考え方を切り替える、これは、とても大変な自己改革です。
少子高齢化の社会になればなるほど、
シニアの働きの重要度が増してきます。
そして、シニアの生涯学習の必要度も増してきます。
少子高齢化の社会の中で、また、長寿社会の中で、
求められるのは、
「円熟した」「人間社会のルールの分かる」「地域社会のリーダー」なのです。
また、同時に、
それを支えうる生涯学習の充実が求められているのだと思います。
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